バンコク「fillets」— One Bangkokで出会う、モダンおまかせ寿司の新境地

One Bangkok内にある寿司レストラン「fillet」の店内。円形カウンターと照明が印象的なモダンデザイン。

きっかけは、ドイツ人の女友達のひと言でした。
「どうしても行ってみたいOMAKASEがあるの」。

向かったのは、ルンピニ公園の目の前、One Bangkok の中にある 「fillets(フィレッツ)」
一歩足を踏み入れると、寿司屋というよりはシアター。

円形カウンターの中央で、職人が淡々と寿司を握る姿はまるで舞台のよう。

バンコクで、モダンで洗練された OMAKASE を探している方へ。

シーロム周辺で素敵な「fillets」というレストランを見つけたので、ご紹介させてください。

目次

filletsとは?

ルンピニ公園の向かいに誕生した複合施設 「One Bangkok」。その中でも、静かに存在感を放つのが 「fillets(フィレ)」 です。

扉を開けると、そこには“寿司店”というよりも、
まるでシアターのような世界が広がっています。

円形に配置されたカウンター席の中央には、エプロンをつけた職人とスタッフがずらり。淡い照明が手元を照らし、握られる瞬間を静かに演出します。

店内の雰囲気

入口をくぐった瞬間、空気が変わる。白と黒を基調にした円形カウンターは、まるで劇場のステージ。
中央に立つ職人の所作に、自然と視線が引き寄せられます。

照明はやわらかく、音楽も控えめ。ガラス越しに見える夜のルンピニ公園の光が、空間全体に静けさと都会の余韻を添えています。

伝統的な寿司店の“木の温もり”とは異なり、filletsは“凛とした静謐”を感じさせるモダンな世界。緊張感があるのに、不思議と居心地がいい。

それはまるで、食の舞台を鑑賞しているような感覚です。

fillets(フィレッツ実食レビュー

では、いよいよお寿司をいただいていきます。
一皿ごとに少しずつ表情を変えるネタたち。
見た目の美しさもさることながら、香りや温度、食感のバランスにまでこだわりが感じられます。

ここからは、実際にいただいたおまかせコースを順に紹介していきます。

アミューズ — フレンチのエッセンスを感じる一皿

最初に運ばれてきたのは、まるでフレンチの前菜のようなアミューズです。

小皿に並んだ料理は、ひとつひとつがまるで宝石のよう。

寿司店という枠を軽々と超えた、美しいプレゼンテーションに思わず息をのみました。

鯛の昆布締め — 静けさの中にある“旨みの余韻”

2品目に登場したのは、淡く透き通るような鯛の昆布締めでした。

一口ふくむと、昆布の香りがやさしく舌を包み、
噛むほどに旨みが静かに広がっていきます。

茶碗蒸し — 和と洋の境界を超えた驚き

2品目の茶碗蒸しを口にした瞬間、思わず箸を止めてしまいました。

なめらかな卵の下に隠れていたのは、なんとリゾット。

和と洋のあいだに新しい“調和”が生まれています。

寿司 — 静寂の中で味わう「一貫の物語」

4品目からは、いよいよ寿司の時間。

トロはまぐろの脂が口の中でふわりと溶け、思わず目を閉じたくなるほど

イカはねっとりと舌に絡み、噛むたびに旨みが広がる。

炙った鯛は香ばしさと繊細な甘みが絶妙で、口に入れた瞬間、心の奥に余韻が残ります。

トロを巻いた手巻き寿司。海苔の香りとマグロの甘みがバランスよく調和している。

写真を撮りそびれてしまいましたが、穴子はふっくらと炊き上げられていて、箸を入れるとほろりと崩れるほどやわらかい。

同行した友人は「これが一番おいしかった」と笑顔を見せていました。

職人の方(日本人)が途中、実際に出汁をとるために使っている利尻昆布枕崎の鰹節を見せてくださり、その場で削りたての鰹節を味見させてくれました。

お寿司に合わせたのは、名前の通り穏やかな味わいの日本酒「おだやか」。

すっきりとした口当たりではなく、ほんのりとした甘みがありました。

スイーツ — 甘さと塩気の絶妙なバランス

デザートは、黒ごまのアイスクリーム。
そこにほんのりと味噌の塩気が重なり、
甘さと香ばしさのバランスが絶妙でした。

カステラとお茶で締めです。

この発想の自由さこそ、filletsらしさ。
伝統への敬意を持ちながらも、型にとらわれない遊び心が感じられました。

お会計

2人で 10,322バーツ(約42,000円前後/2025年10月時点)。

3500バーツのOmakaseコースをお願いしました。
予約時に、1人あたり1,500バーツのデポジットを支払っていました。

おまかせコースとしては高級な部類に入りますが、
料理の完成度、空間、ホスピタリティを考えると、その価値は十分に感じられました。

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この記事を書いた人

2年前に初めてタイを訪れて以来、その魅力に惹かれ続けてきました。
世界57か国を旅したのち、たどり着いたのはやはりタイ。
現地の空気を感じながら、リアルなタイ情報を発信しています。

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